管長あいさつ  - Message from General Manager -

完成された宇宙の仕組みの解明

 当コミュニティは、宇宙、大自然の仕組みの背後に存在する、また私たち人間を人間足らしめる存在としての創造主神そうぞうすしんの実在を根幹として、その主神とご一体(神人合一しんじんごういつ)となられた
教祖・明主様めいしゅさま五六七みろく大神おおかみとして主祭いたします。
 そもそも宇宙の仕組みは完成されているものと、私共は考えております。それに対して、あらゆる人間の科学的・直観的な発明や技術の進展は、完成された宇宙の仕組みの解明であり、応用であって、決して、人間の力によってその働きが作り出されているわけではありません。いかなる人間の発見も発明も、既に存在しているものの域を出ないものであります。
 宗教者は達観的な態度で見えざる世界から、また科学者は優れた仮説のような形で見える世界からひらめきを得ながら、同じ高嶺の月を眺めんとしているのであります。その本質は、既に存在している宇宙の解明であるに相違ありません。
 百年前の科学的知見・常識と、現代のそれとは、如何いかにかけ離れていることでしょう。昨日の常識は常に塗り替えられ、その都度、人間の生活はスピード化され、さらに効率化が進められてきました。しかし、未だ科学では解明されないものは数知れず、未発見のものばかりであると申し上げることも出来ます。なぜなら、この進歩とは裏腹に、精神・肉体・自然環境などの様々な破壊をも生み出していることも事実であるからです。中でも、病者の激増はその最たるものであります。
 私共は病貧争絶無の地上天国建設をその理想に掲げております。もちろん、それはあらゆる学問、文化、文明の目指すものでもあるはずです。ただ、その道筋が、宗教的なるアプローチと、科学的なるアプローチで違っているだけであると考えております。現代医学は巨額な資金を背景にその技術が進み、高度化し、高額機器が生まれ、肥大化しました。しかし現実には、それに伴って幸福が増大しているとは言えない現状は、いなない事実であります。

第三の医学 — 和方「浄霊」

 当コミュニティの健康観は、神が作られた大自然の摂理と神の愛への理解と信頼を基本においております。明主様によって解かれた、神が人間に与え給うた最大の恩恵という観点から、病気発生のメカニズムを説いております。特に病気の解決が幸福の原点と捉えられた明主様は、婦人病以外の全ての病気にかかられた程のご自身の病気、また、数万人におよぶ人々の病気と向き合われました。
 当コミュニティは、現代医学的療法を拒否・否定するものでは決してありません。病気発生のメカニズムを理解し得たつもりでも、現実には、現代の食・生活・精神環境は実に多種多様で、決して病は簡単に解決できるものばかりではありません。従って、強い健康不安には、医療機関の受診も勧め、先ずは医師と相談の上、入院、投薬、手術等も行う中で、信仰的療法を合わせながら病気の克服を目指しております。
 近き将来には、西洋医学(洋方)、東洋医学(漢方)と共存する「浄霊じょうれい医学(和方)」を社会に示してまいりたいと考えております。宗教も、科学も、医学も、向かう所は一つであり、あらゆるものは、共に手を携えていけるものと信じております。そしてやがては理解し合い、相互に補完していけるものと考え、研鑽してまいりたいと考えております。
 先般、WHO(世界保健機関)は、漢方など東洋医学を正式医学と認定する発表をいたしました。つい先頃までは考えられなかった変化であります。さらにこの先、生命に対する科学的知見が開かれるにつれて、明主様が解明された病気のメカニズムもまた、理解されるに違いないと考えております。なぜなら、考えられない変化が考えられないスピードで訪れている現代であります。平成から「令和」へと、新たな時代が開かれた今、期待に胸を膨らませてまいりたいと存じます。

地域へと開かれたコミュニティとして

 神は人間を作っておきながら、その子が病気で苦しむことを望まれているわけではありません。人間は「病気の器」ではなく、「健康の器」として作られていると考えております。そのための仕組みとして、病気を含めたあらゆる苦しみは、良くなる作用—「浄化作用」として捉えております。その仕組みが順調に作用するためには、現代社会はあまりに多くの問題を抱えております。
 私共は、食、こころ、環境などの諸問題をはじめ、身近な生活環境の整備が大切であると考え、信仰と農と芸術を生活化する—光と農と美で築くコミュニティ作りを、地域の皆さんと共に進めて行こうとするものであります。世界に比類無き「天空の庭」、無農薬のバラ園、境内を開放して行う食の啓発イベント「自然農法きらきら夏野菜フェスタ」や、伊勢湾はじめ河川湖沼の浄化活動、茶道や能狂言などの芸術文化活動等、まだまだ小さな取組みではありますが、地域へと開かれたコミュニティとして、これからも活動してまいりたいと存じます。
 ぜひともご縁のある方は、聖地・神恩郷にお立ち下さい。そして、明主様の世界に触れ、当コミュニティがどのようなものであるのか、実際に感じていただきたいと存じます。

管長後藤崇比古