天国は芸術の世界

 私が唱えるところの、神霊療法による病気治しにしても、実をいえば立派な生命の芸術である。何となれば芸術なるものの本質は、真と善と美である。
 ず何よりも病人には真がない。というのは人間は健康であるべきが真であって、健康をそこねるという事は、最早もはや人間本来のあり方ではなくなっている。病気の為人間としての働きが出来ないとすれば、無用の存在となってしまうからその修繕をする。それが本教の浄霊である。次に善であるが、人間に善がなく悪のみを行うとすれば、これも真の人間ではない、動物である。最後の美は説明の要がない程分かり切った事だから略すが、以上によってみても明らかな如く、真善美の具現こそ、この世界を天国化する根本条件である。
 我々が病気を治すのも、農耕法を改革するのも勿論芸術である。前者は前述の如く生命の芸術であり、後者は農業の芸術である。これに加えて我等が地上天国の模型を造るのも美の芸術であって、右の三者の合体によって、真善美の三位一体的光明世界が造られるのである。これ即ち地上天国ミロクの世の具現である。

 世界も、国家も、個人も、凡ゆる問題を解決する鍵は『誠』の一字である。
政治の貧困は誠が貧困だからである。物資の不足は誠が不足しているからである。
 道義の頽廃たいはいも誠のない為である。秩序の紊乱びんらんも、誠のない所に発生する。
凡ゆる忌まわしき問題は誠の不足が原因である。
宗教も学問も芸術も、中心に誠がなければそれは形骸けいがいでしかない。
嗚呼ああ、誠なるかな誠なる哉、人類よ、問題解決の鍵は、ただ誠あるのみである。